「早くして!」「何回言わせるの!」
そんな言葉が、毎日増えていませんか?
- 朝、なかなか着替えない
- 宿題に取りかかれない
- ボーッとして動かない
- 一つ一つ声をかけないと進まない
- 何度言っても同じことを繰り返す
発達障害やグレーゾーン、発達特性のある子どもの子育てでは、子どもが「動かないこと」で悩む保護者の方が少なくありません。
そして多くの方が、「子どものやる気がないからでは?」と思い、自分も子どもも追い込んでしまいます。
でも実は、「動かない=やる気がない」とは限りません。
この記事では、
- なぜ何度言っても動けないのか
- 発達特性のある子どもに起きやすいこと
- 今日からできる関わり方
を、ペアレントトレーニングの視点からお伝えします。
「何度言っても動かない」に毎日イライラしていた
これは、以前の私自身の話でもあります。
「早く着替えて!」
「歯磨きした?」
「カバンは?」
何度言っても動かない。
一つ声をかけても、次の行動には進まない。
気づけば私は、朝からずっと指示を出していました。
でも、子どもは、サボりたいわけではなかったんです。
後にペアレントトレーニングやABA(応用行動分析学)を学び、「動けない理由」があることを知りました。

発達障害や発達特性のある子は「やりたくない」ではなく「動き出せない」ことがある
例えば、
- 何から始めればいいかわからない
- 見通しが立たない
- 気持ちの切り替えが苦手
- 頭の中が混乱しやすい
- 一気に言われると整理できない
そんなことが起きている場合があります。
特に発達特性のある子どもは、「行動を始める」こと自体にエネルギーが必要なことが多いです。
そのため、周囲からは、「やる気がない」ように見えても、本人の中では「どう動けばいいかわからない」状態になっていることも少なくありません。
「早くして!」が増えるほど動けなくなる
親としては、時間がない。学校もある。仕事もある。だから、つい急かしてしまいます。
でも実は、「早くして!」という言葉が増えるほど、余計に動けなくなる子もいます。
なぜなら、
- 焦り
- 不安
- 「また怒られる」緊張
で頭がいっぱいになるからです。
特に、注意や指示が多くなると、子どもは「何をしたらいいか」よりも、「怒られないようにしなきゃ」で頭が埋まりやすくなります。
すると、さらに動けなくなる悪循環が起きてしまうのです。

「ちゃんと伝えているのに動かない」は本当に伝わってる?
私たち大人は、「もう何回も言ってる」と思っています。
でも、子ども側からすると、
- 指示が長い
- 一度に複数言われる
- 今何を優先すればいいかわからない
ということがあります。
例えば、「早く着替えて、歯磨きして、カバン準備して!」だと、情報量が多すぎます。
特に発達特性のある子どもは、ワーキングメモリ(頭の中で情報を整理する力)が弱い場合もあり、複数指示が難しいことがあります。
そのため、「まずズボン履こう」「次は歯磨きね」のように、「一つずつ」伝える方が動きやすくなります。
一つの行動が完了してから、次の行動の指示をするのです。
「できる仕組み」を作ると子どもは動きやすくなる
ペアレントトレーニングでは、「叱る」よりも、「できる仕組みを整える」ことを大切にしています。
例えば、
- 朝の流れを絵や紙で見える化する
- やることを一つずつ区切る
- タイマーを使う
- 先に好きな行動を少し入れる
- 「あと5分」を視覚化する
など。
これは甘やかしではありません。子どもが「動きやすくなる支援」です。
厚生労働省の「ペアレント・トレーニング実践ガイドブック」でも、子どもの行動を観察し、環境を整えることの大切さが示されています。

「行動モメンタム」を使って動き出しやすくする
ABA(応用行動分析学)では、「行動モメンタム」という考え方があります。
これは、できる行動から始めることで、次の行動へつながりやすくする方法です。
例えば、宿題に取りかかれない子に、いきなり「30分勉強しよう」ではなく、
- 名前を書く
- 鉛筆を持つ
- 1問だけやる
など、小さな行動から始める。
すると、少しずつ波に乗ってきて動き出せることがあります。これは大人でも同じですよね。
「今日はこれだけやろう」と思う方が、始めやすいですよね。
「動けない子」ではなく「動きにくさを抱えている子」かもしれない
以前の私は、子どもに対し「なんでできないの?」「なんでやらないの?」とばかり思っていました。
でも今は、「どうしたら動きやすくなるかな?」と考えるようになりました。
すると、親子関係も少しずつ変わっていきました。
もちろん人間ですので、イライラする日もあります。
でも、子どもに「やる気がない」と決めつけるのではなく、「動きにくさがあるのかもしれない」という視点を持つだけでも、関わり方は変わり始めます。

まとめ|「やる気」ではなく「動きやすさ」を考えてみる
何度言っても動かない我が子を前にすると、親も苦しくなります。
でも、「やる気がない」ではなく、「どう動けばいいかわからない」「動き出すハードルが高い」こともあります。
だからこそ、
- 指示を短くする
- 一つずつ伝える
- 見える化する
- 小さく始める
- できた行動を見る
そんな関わりが大切になります。
ペアレントトレーニングでは、「叱る」よりも、 「子どもが動きやすくなる仕組み」を整えていく視点を大切にしています。
日本ペアレントトレーニング子育て支援協会では、ABA(応用行動分析学)や脳科学、認知行動療法などをベースに、ペアレントトレーニングをお伝えしています。
「毎日怒ってばかりで苦しい」 「子どもとの関係を少しでも楽にしたい」そんな方は、ぜひ体験説明会や養成講座にご参加ください。

