「宿題やったの?」
この言葉を、一日に何度も言っていませんか?
- 帰宅しても全然始めない
- ランドセルを置いたまま動かない
- 「あとでやる」が続く
- 宿題を前にすると不機嫌になる
- 机に向かったと思ったらボーッとしている
- 結局最後は怒鳴ってしまう
発達障害やグレーゾーン、発達特性のある子どもの子育てでは、宿題が親子バトルの原因になってしまうことがよくあります。
そして、多くの保護者の方が、「やる気がないのでは?」と悩みます。
でも実は、宿題に取りかかれない背景には、「やる気」以外の理由が隠れていることがあります。
この記事では
- なぜ宿題が進まないのか
- 親子バトルになりやすい理由
- 今日からできる関わり方
をペアレントトレーニングの視点からお伝えします。
「宿題やったの?」が口ぐせになっていませんか?
あるお母さんの話です。
「学校から帰ってきても、子どもがなかなか宿題に取りかからない。」という悩みを教えてくださいました。
ランドセルを置いたままゴロゴロ
テレビ、YouTube、マンガ…
「宿題やったの?」
「早くしないと終わらないよ!」
何度声をかけても動かない。
夕飯、お風呂、寝る時間…と余裕がない。
お母さんは、気づけば毎日同じことで怒っていました。
でも、ペアレントトレーニングを学んだことで、「宿題ができない」ではなく、「宿題に取りかかるまでがすごく大変」な子もいるということを知りました。

発達特性のある子は「始める」のが苦手なことがある
発達特性のある子どもは
- 何から始めればいいかわからない
- 見通しが立たない
- 気持ちの切り替えが苦手
- 疲れやすい
- 一気にやる量を見ると圧倒される
など、始めること自体にエネルギーが必要な場合があります。
特に、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)の子どもたちの中には、実行機能に苦手さがある場合があります。
実行機能とは、行動をコントロールする力です。
例えば
- 段取りを立てる
- 優先順位を考える
- 行動を始める
- 気持ちを切り替える
- 集中を維持する
など。
そのため、「何からやればいいかわからない」「やらなきゃいけないのに動けない」という状態になってしまうのです。
特に学校では、子どもたちはかなり頑張っています。
授業、集団行動、友達関係、音や刺激など、一日中たくさんの情報を処理しています。
周囲が思っている以上に、脳が疲れやすい状態です。
学校で一日頑張った後には、エネルギーもかなり減っているでしょう。
そのため、帰宅後に宿題まで頑張ることが、とても大きな負担になっている場合があるのです。
帰宅した頃には、すでにヘトヘト状態。
さらに「宿題をやらなきゃ」となると、気持ちが動かなくなってしまうのも想像できますね。

「早くやりなさい!」が増えるほど親子関係が苦しくなる
親としては、宿題をやってほしい。これは当然です。
提出期限もある。
学校で困ってほしくない。
先生に叱られてほしくない。
だから、つい急かしてしまいます。
でも、「早くやりなさい!」が増えるほど、親子関係が苦しくなります。
なぜなら、子どもも「やらなきゃいけない」ことはわかっている場合が多いからです。
でも、動けない。すると、また怒られる。
「どうせできない」という気持ちが積み重なり、余計に宿題から遠ざかってしまうという悪循環が起こります。
「できない」のではなく「ハードルが高い」のかもしれない
「なんでこんな簡単なことができないの?」と思われるかもしれません。
でも実際には、子どもの中で
- 量が多く感じる
- 失敗したくない
- どこからやればいいかわからない
- 面倒な気持ちが大きい
など、いろんなことが起きているのです。
大人でも、「やらなきゃいけない」と思うほど動けなくなることがありますよね。子どもも同じです。
だからこそ、「やる気がない」と決めつけるのではなく、「始めるハードルが高いのかもしれない」という視点が大切になります。

宿題を「小さく」すると動きやすくなる
また、発達特性のある子どもは、「完璧にやらなきゃ」という気持ちが強い場合もあります。
そのため、「全部終わらせなきゃ」と思うほど、逆に動けなくなってしまうのです。
ペアレントトレーニングでは、「できる仕組みを整える」ことを大切にしています。
例えば、「全部やろう!」ではなく、
「まず1問だけやってみよう」
「名前だけ書こう」
「5分だけやってみよう」
のように、始めるハードルを下げる。すると、少し動きやすくなる子もいます。
また
・宿題をする場所を決める
・帰宅後の流れを固定する
・タイマーを使う
・休憩を細かく入れる
・進捗具合を見える化する
など、環境調整も大切です。
これは甘やかしではありません。子どもが「動きやすくなる支援」です。
「できた」に目を向けると少しずつ変わっていく
宿題バトルが続くと、親も疲れます。
「また今日も怒ってしまった…」と落ち込むこともありますよね。
「何度言っても動かない…」と感じる場面については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

でも、できていない部分ばかり見ていると、親子関係はどんどん苦しくなっていきます。
だからこそ
- 机に向かえた
- 筆箱が出せた
- 自分から鉛筆を持てた
- 1問できた
そんな「小さなできた」を見ることも大切です。
完璧でなくても、少しずつ前に進める。その積み重ねが、自信につながっていきます。

まとめ|「やる気」ではなく「始めるしんどさ」があるのかもしれない
宿題をめぐる親子バトルは、本当にしんどいものです。
でも、「やる気がない」ではなく、「始めるまでが大変」な場合もあります。
だからこそ
- 宿題を小さく区切る
- 見通しを持ちやすくする
- 環境を整える
- できた行動を見る
そんな関わりが大切になります。
ペアレントトレーニングでは、「叱る」より、 「子どもが動きやすくなる環境を整える」視点を大切にしています。
日本ペアレントトレーニング子育て支援協会では、ABA(応用行動分析学)や脳科学、認知行動療法などをベースに、ペアレントトレーニングをお伝えしています。
「毎日怒ってばかりで苦しい」 「宿題の時間が憂鬱になっている」そんな方は、ぜひ体験説明会や養成講座にご参加ください。
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