ペアレントトレーニングはなぜ現場で続かない?|児童発達支援・放課後等デイサービス・支援者向け

「保護者の方の第一歩を、どう後押ししたらいいんだろう」
「最初は来てくださるけど、継続につながらない」
「職員間で支援の足並みが揃わない」

最近、体験会で、児童発達支援や放課後等デイサービスの現場の支援者の方から、こんな相談が増えています。

実はこれ、特別な悩みではありません。発達障害支援やペアレントトレーニングに関わる現場では、多くの支援者の方が感じている壁です。

私自身も、支援者として、そして自閉症の息子を育てる母として、何度も感じてきました。

今日は、「なぜ知識だけでは現場で続かないのか」そして、「支援者自身が学ぶ意味」について書いてみたいと思います。

目次

ペアレントトレーニングは「知識を伝えればうまくいく」わけではない

ペアレントトレーニングを学ぶと

  • 褒めることの大切さ
  • 指示の出し方
  • 環境調整
  • 行動の見方
  • ABA(応用行動分析)の考え方

など、多くの知識を学びます。もちろん、これらはとても大切です。


ですが現場では、「頭ではわかっているのに、できない」ということが起こります。


・保護者の方が続かない
・職員間で温度差が出る
・理論通りに関われない
・忙しさの中で余裕がなくなる

それは、知識が足りないからだけではありません。人は、正しいことを知っただけでは変われないからです。

保護者支援が難しい本当の理由

多くの支援者は、真面目です。だからこそ、「どう伝えたらいいか」を一生懸命考えます。

でも実際は、正しいことを伝えれば、保護者が動くというわけではありません。

私自身も、保護者としてたくさん悩んできました。

「褒めた方がいい」
「環境調整が大事」
「否定しない方がいい」

わかっている。でも、できない日もある。
余裕がない日もある。感情的になる日もある。

だから私は、保護者支援で本当に必要なのは、「正しい知識を伝えること」だけではなく、「安心して戻ってこられること」だと思っています。

・責められないこと
・否定されないこと
・失敗しても、「またやってみよう」と思えること

そこがあると、人は少しずつ変わっていけます。

支援者自身が「受ける側」を体験すると、支援が変わる

だからこそ、日本ペアレントトレーニング子育て支援協会では、「支援者自身が、まず受ける側を体験すること」を大切にしています。

・できない苦しさ
・続かない苦しさ
・わかっているのにできない感覚

その体験をすると、保護者への見方や伝え方が変わります。

例えば以前は、「早く座って!」「なんでやらないの?」と注意が中心だった方が、「この子は何に困っているんだろう?」と行動の背景を見るようになり、子どもへの声かけが変わったことで、癇癪が減ったケースもありました。

また、「保護者にどう伝えたらいいかわからない」と悩んでいた方が、アドバイスより先に、まず話を聴くことを意識したことで、保護者の方から、「初めて否定されなかった気がしました」と言われたこともあります。

支援者自身が、「できない側」を体験することで、支援そのものが変わっていきます。私たちは、その変化をたくさん見てきました。

児童発達支援・放課後等デイサービスでの職員研修

職員間で足並みが揃わないのは「知識不足」だけではない

児童発達支援や放課後等デイサービスなどの支援現場では、「職員間で支援方針が合わない」「足並みが揃わない」という悩みもよく聞きます。

ですが、これは単なる知識不足ではないことも多いです。

例えば

  • 子どもの見方が違う
  • 大切にしたい価値観が違う
  • 困った行動への捉え方が違う
  • 支援への不安が違う

など、背景は本当に様々です。

実際に、「この子はわがままなんじゃないか」「いや、不安が強いんだと思う」と職員間で見立てが分かれていたケースでも、「行動の背景を見る」という共通視点ができたことで、話し合いがしやすくなったという声もあります。

単発で知識を学ぶだけでは、現場に戻った時に使えなくなってしまうことがよくあります。

だからこそ本当に必要なのは、「どうしたら続けられるか」という視点です。そこが、これからの支援でとても大切になると感じています。

ペアレントトレーニングで本当に変わるもの

ペアレントトレーニングは、子どもをコントロールするためのものではありません。

子どもの行動の背景を理解しながら、大人側の関わりや環境を整えていく学びです。

そして実は、一番変わるのは、「支援者自身の見え方」かもしれません。


例えば、「困った子」だった子が、「困っている子」に見えてくる。

「ちゃんとしなきゃ」と思っていた支援が、「安心できる関わりを作ろう」に変わっていく。

保護者への関わりも、「指導」ではなく、「伴走」に変わっていく。


すると、現場の空気が少しずつ変わり始めます。保護者との関係も変わります。支援者自身も、一人で抱え込みにくくなっていきます。

私たちが目指す支援

子どもも、保護者も、支援者も、みんなが少し安心できる社会を作りたい。

「できていないこと」ではなく、「もうすでにできていること」に目を向けられる人を増やしたい。

そして、支援者自身も孤独にならず、安心して学び続けられる社会を作りたい。

そう思いながら、ペアレントトレーニングをお伝えしています。

もし今

・ペアレントトレーニングを学んでも現場で活かせない
・保護者支援に悩んでいる
・支援が続かない
・職員間連携に悩んでいる
・一人で抱え込んでいる


そんな感覚がある方がいたら、一度、体験説明会でお話しできたら嬉しいです。

「資格を取ること」がゴールではない

当協会では、講座修了後、認定試験に合格された方に「ペアレントトレーニング支援士」の資格を付与しています。

資格は、単なるライセンスや肩書きではありません。大切なのは、知識を持っていることではなく、目の前の子どもや保護者に、安心して関われること。

そして、学びと実践を現場や家庭で続けていけることだと思っています。

実際に、児童発達支援や放課後等デイサービスの現場で

  • 保護者対応に活かしている方
  • 職員研修に取り入れている方
  • 支援の共通言語として活用している方

も増えてきました。

資格取得はゴールではなく、現場で活かしていくスタートです。

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