なぜ人は「今じゃない」と思ってしまうのか?
「今は余裕がなくて…」
「夏休みが終わったら…」
「もう少し落ち着いたら…」
体験会や個別相談会でもよく聞く言葉です。
でも私は、この言葉を聞くたびに思います。
どうして人は、先送りにしてしまうのでしょうか?
「やる気」の問題なのでしょうか?
今日は、ABA(応用行動分析学)の視点から、人が「変わりたい」と思いながらも行動できない理由について考えてみたいと思います。
「やった方がいい」のに行動できない
実は私自身、元々、行動力があるタイプではありません。
むしろ石橋を叩いて渡るタイプでした。
いや、正確には石橋を3年くらい平気で叩くタイプでした(笑)
失敗したらどうしよう
続かなかったらどうしよう
お金が無駄になったらどうしよう
そんなことばかり考えていました。
だから
「やった方がいいのはわかっている」
「でも動けない」
という気持ちはとてもよくわかります。
実際、体験会に参加される方の中にも、同じような方が多くいらっしゃいます。
必要性は感じている。
学んだ方がいいこともわかっている。
でも、最後の一歩が踏み出せない。
それは意志が弱いからなのでしょうか?

なぜ人は先送りしてしまうのか?
心理学には「現状維持バイアス」という考え方があります。
人は変化よりも現状維持を選びやすい傾向があるというものです。
なぜなら、変化にはエネルギーが必要だからです。
・新しい環境に入る
・新しい学び始める
・誰かに相談する
どれも少し勇気が必要です。
また、人は得られる未来よりも、失うかもしれないものに意識が向きやすいとも言われています。
学んだ先の変化よりも
・お金を使うこと
・時間を使うこと
・途中で挫折するかもしれないこと
そちらの方が大きく見えてしまうのです。
脳は、「今じゃない理由」を探す天才です。
・時間がない
・余裕がない
・お金がない
もちろん、それらは本当かもしれません。
でも同時に、変化を避けたい脳の働きも大きく関係しています。

ABA(応用行動分析学)で分析してみる
ここで、体験会に参加したけれど申し込みをしなかったケースをABA(応用行動分析学)で考えてみます。
【きっかけ(A)】
・体験会に参加した
・学んだ方が良い気がする
・子どものことで悩んでいる
↓
【行動(B)】
・申し込みを保留する
・今はやめておく
↓
【結果(C)】
・新しい環境に飛び込まなくて済む
・お金(時間)を使わなくて済む
・できなかったらどうしようという心配を避けられる
・考えなくて済む
どうでしょうか。
実は、「申し込まない」という行動にもメリットがあります。
その瞬間、不安が減るのです。
ABAでは、不快なものが取り除かれることで行動が増えることを「負の強化」と呼びます。
つまり、
行動しない
↓
安心する
↓
また行動しない
というサイクルが生まれます。

これを見ていて、私はよく思います。
「子どもが宿題を後回しにする」のと似ているぞ!と。
宿題をやらない
↓
今は楽になる
↓
また後回しにする
大人も子どもも、実は同じ人間なんですよね。
「もっと早く知りたかった」は聞くけれど
保護者の方、支援者の方と長期的に関わる中で、何度も聞いた言葉があります。
「もっと早く知りたかった」
です。
でも
「もっと遅く始めればよかった」
という言葉は、一度も聞いたことがありません。
本当に一度も、です。
もちろん、ペアレントトレーニングを学んだからと言って、全ての悩みが解決されるわけではありません。
でも
・子どもの見方が変わった
・自分を責める時間が減った
・一人で抱え込まなくなった
そんな変化はたくさん見てきました。
だから私は、
「この方も、もっと早く出会えていたらな」
と思うことが、正直、何度もあります。

本当に足りないのは「やる気」?
私は、行動する人としない人の違いは、やる気の差ではないと思っています。
不安があるかどうかでもありません。
行動する人も不安です。
迷っています。
怖いと思っています。
違うのは、
不安がなくなるのを待つのか、
不安があっても一歩踏み出すのか。
その違いだけです。
もしかすると私たちは、「行動する不安」よりも、「今のままでいる安心」を選んでいるのかもしれません。
でも、人生が変わる瞬間は、やる気が出た時ではなく、行動した時です。

私は、行動できない人を責めたいわけではありません。
むしろ、その気持ちは痛いほどわかります。
私自身も、石橋を3年叩くタイプでした。
だからこそ思うのです。
人は意志が弱いから動けないのではありません。
行動には必ず理由があります。
そして、その理由を知ることができれば、環境を変えることも、一歩踏み出しやすくすることもできます。
これは子どもも同じです。
「なんでできないの?」
ではなく、
「何が行動を止めているんだろう?」
そんな視点で見ると、子どもへの関わり方も、自分への関わり方も少し変わってきます。
もし今、
「変わりたい。でも動けない。」
そんな気持ちがあるなら…
その自分を責めるよりも
まずは、「なぜ私は動けないんだろう?」と行動の理由を考えてみる。
それだけでも、新しい一歩が始まることでしょう。
そしてもし、一人では難しいと感じたら、ぜひ体験説明会にお越しください。
まずは、新しい考え方に触れてみる。
その小さな一歩が、半年後、1年後の自分につながることを願っています。



