おしゃべり会や個別相談会などでよくいただく内容として、このようなことがあります。
「病院で相談したけど、『療育を受けるほどではない』と言われた。でも、子育てをしていると育てにくさを感じることがある。このまま様子を見ているだけでいいのだろうか?」
いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれるお子さんをお持ちの方が、このように感じることは少なくありません。
大切なのは「相談先をたくさん持つ」こと
療育を受けるべきかどうか、医師の診断が一つの指針になりますが、「療育が必要ない」と言われても、子育て中に感じる育てにくさや困り感が消えるわけではありません。
ここで大事なのは、「相談先をたくさん持つこと」です。もちろん病院のお医者さんの意見は重要ですが、それがすべてではありません。
複数の相談先を持つメリット
複数の相談先を持つことで、いろいろな視点からお子さんを見てもらうことができます。例えば、次のような場所が相談先として考えられます。
- 地域の保健センターの保健師さん
- 園の先生
- 子育て支援センターの先生
- 児童館の先生
- 児童発達支援施設の方
相談できる場所は意外とあります。
いろいろな場所に相談することは手間がかかるかもしれませんが、その分、たくさんのアイディアや新しい支援先を紹介してもらえる可能性が広がります。また、家庭でできるアドバイスをもらえることもあります。
療育を受ける方法は地域によって異なる
私の地域では、お医者さんの診断書がなくても、保健師さんの意見書があれば療育を受けることができます。このように、地域によって異なる方法で療育にアクセスできる場合があります。
悲しいことですが、こういった情報は自分で調べたり、積極的に動かないと手に入らないことが多いです。情報がもっと簡単に手に入ればいいのですが、現実はそう簡単ではありません。
親の意見を大切に
お医者さんの意見は重要ですが、それをそのまま自分の意見にする必要はありません。
もし「療育を受けさせたい」という考えがあるなら、その想いを相談先でしっかりと伝えましょう。
親はどうしたいのか、その意見を持つことが何よりも大切です。
効果が出やすいと言われている早期の療育介入の重要性
療育は、早期に介入するほど効果が出やすいという研究結果があります。
私も早期に介入して良かったと思うことが多々あります。何より、私は「やらないで後悔すること」が嫌いです。時間は戻せません。子どもも親も「今」は今しかないのです。
人生において、やらずに後悔することはたくさんありますが、やって後悔することは少ないものです。たとえ後悔することがあったとしても、その時に悩んで決めたことであれば、後悔も大きなものにはなりません。
家庭でできる療育の方法
もし複数の相談先を訪ねたにもかかわらず、療育が受けられない場合は、家庭でできることをお試しください。
私は児童発達支援施設の療育と、家庭でのABA(応用行動分析学)を取り入れたコミュニケーションを併用しています。ABAとは、行動の原理を利用し、好ましい行動を増やしていく手法です。
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親としての決断を尊重する
療育の必要性は、医師の診断だけではなく、親がどう感じているかも重要なポイントです。
診断名の有無に関わらず、親が「療育を受けさせたい」と感じたとき、その気持ちを大切にしてください。療育は、早く介入するほど子どもの成長に良い影響を与えることが知られています。
もっと支援が受けやすい社会へ
残念ながら現在の日本では、療育が必要だと感じたときにすぐに支援を受けられる体制が整っていません。
診断名がなくても、親が必要だと感じたときに誰でも療育を受けられるような社会になればいいのですが、まだまだその道は遠いようです。
親としての意志を尊重し、行動を起こそう
まずは、親がどうしたいのか、我が子に何が必要かを考え、ご家族で話し合ってみてください。
特に小さいお子さんの場合、この時期の吸収力を無駄にしないためにも、早めに行動することが重要です。
今日のまとめ
- お医者さんの意見がすべてではありません。
- いろんな相談先を持つことが大切です。
- 親はどうしたいかを優先し、自分の意見をしっかり持ちましょう。
療育に関する悩みは一人で抱え込まず、複数の専門家に相談し、様々な視点からアドバイスをもらうことが大切です。そして何よりも、親としてどうしたいのか、その意志を大切にしましょう。
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