一般社団法人日本ペアレントトレーニング子育て支援協会は、株式会社BUZZBUZZ(アオハル・うたのこ)および株式会社ウッドフィール(ライチ・レモン・ミックスベリー)と連携し、児童発達支援・放課後等デイサービス・学童保育における支援力向上を目的とした「療育現場支援力向上プロジェクト」を実施しています。
6月・7月は職員研修を重ね、8月は夏休み期間のため、通常の研修に代えて対象となる5事業所を巡回しました。
9月は、「子どもの行動をより深く理解し、具体的な支援につなげること」をテーマに、2回の職員研修を実施しました。
第1回では、夏休みの振り返りや各事業所のGOOD実践を共有するとともに、子どもの行動を「きっかけ・行動・結果」から捉えるABC分析について学びました。
第2回では、各事業所の実際の事例をもとにグループワークを実施。
ABC分析の視点を活用しながら、子どもの行動の背景を考え、具体的な関わり方や環境調整について話し合いました。
今回は、9月に実施した2回の研修の様子をご紹介します。
9月第1回|夏休みの振り返りとABC分析
5事業所を巡回して見つけた「GOOD実践」を共有
8月は、プロジェクト対象となる5事業所を実際に巡回しました。
現場を回っていると、それぞれの事業所で、子どもたちが過ごしやすくなるためのさまざまな工夫に出会います。
・予定を分かりやすく伝える工夫
・自分で確認しやすくするための掲示
・活動に参加しやすくするための環境づくり
・子どもの特性に合わせた声かけや関わり方
「これ、いいな」
「ほかの事業所でもヒントになるかもしれない」
そう感じた実践を、今回の研修で「GOOD実践」として職員の皆さんに共有しました。
同じグループ会社、同じ療育の仕事をしていても、事業所が違えば、日々行っている工夫やアイディアも違います。
だからこそ、事業所を越えて良い実践を共有することには大きな意味があります。
一つの事業所で生まれた工夫が、別の事業所の支援のヒントになる。
そして、そこでまた新しい工夫が生まれる。
そんなふうに、現場にある知恵や実践が事業所を越えて循環していくことも、このプロジェクトで大切にしていきたいことの一つです。

怒涛の夏休みを、チームで振り返る
今回の研修では、夏休みの支援を振り返る時間も設けました。
児童発達支援や放課後等デイサービス、学童保育にとって、夏休みは子どもたちと過ごす時間も長くなり、毎日が本当に慌ただしく過ぎていきます。
そんな中では、一つひとつの実践について立ち止まり、振り返る時間をつくることは、なかなか簡単ではありません。
そこで今回は、
「子どもたちのいいね!」
「チームのいいね!」
「自分のいいね!」
を職員同士で振り返り、共有しました。
職員さんからは、「忙しく過ぎていった夏休みを改めて振り返り、チームで共有できたことが良かった」という声もいただきました。
研修というと、新しい知識やスキルを「学ぶ」ことに目が向きがちです。
でも、
・できていたこと
・うまくいったこと
・現場で工夫してきたこと
そこに改めて目を向け、それぞれの実践を一人の経験で終わらせず、チームで共有する。
こうした振り返りの時間も、より良い支援につながる大切なプロセスです。

ABC分析で「子どもの行動には理由がある」を考える
夏休みの振り返りを終えたあとは、今回のテーマである「ABC分析」へ。
ABC分析では、子どもの行動を
A:Antecedent(きっかけ)
行動の前に何があった?
B:Behavior(行動)
どんな行動をした?
C:Consequence(結果)
行動のあとに何が起きた?
という3つに分けて整理します。
例えば、「大きな声を出す」という行動。
その行動だけを見ていると、
「どうしてこんなことするんだろう?」
「どうしたらやめてくれるだろう?」
と考えてしまいがちです。
でも、行動の前後を丁寧に見ていくことで、
「この活動から離れたかったのかな?」
「何かを伝えたかったのかな?」
「誰かに構ってほしかったのかな?」
と、これまでとは違った見方ができます。
当協会がペアレントトレーニングを通して繰り返しお伝えしている、
「子どもの行動には理由がある」
という考え方です。
ABC分析は、その「理由」を考えるための一つの方法です。

療育現場でよくある事例を、みんなで検討
今回はABC分析の方法を学ぶだけではなく、実際の療育現場でよくある事例を題材に、みんなで事例検討を行いました。
まずは、
「A・B・Cに分けるとどうなる?」
「この行動には、どんな理由が考えられる?」
「行動が起きる前にできる工夫は?」
「次に同じ場面があったら、どんな関われそう?」
一つずつ整理しながら意見を出し合います。
同じ事例を見ていても、着目するところや考えることは人によって違います。
だからこそ、一人で答えを出すのではなく、それぞれの視点を持ち寄りながら、チームで支援を考えることを大切にしました。

研修後、職員さんからは、「こうした事例検討を以前からやってみたかった。どうすれば支援の方向性をチームで揃えていけるのかと考えていた。」とお話しいただきました。
「次回の研修も楽しみです」という声もいただき、とても嬉しく思います。
ABC分析は、子どもの行動の理由を考えるためだけのものではありません。
「私たちはこの行動をどう捉える?」
「では、どんな支援をしていく?」
と、チームで話し合うための共通言語にもなります。
誰か一人の経験や感覚だけに頼るのではなく、事実をもとにみんなで考え、支援の方向性を共有していく。
今回の事例検討が、そのための時間にもなりました。


9月第2回|ABC分析を活用した実践的な事例検討
9月第2回の職員研修では、前回学んだABC分析をさらに深め、各事業所の実際の事例をもとにグループワークを行いました。
今回のテーマは、「行動をもう一歩深く見る」。
知識としてABC分析を理解するだけでなく、日々の現場で、どのように活用できるのかを考える時間です。
実際の事例をもとに、チームで考える
各グループでは、日頃の支援の中で気になっている子どもの行動を取り上げ、ABC分析の視点から整理しました。
「行動が起きる前には、何があったのか?」
「子どもは具体的にどのような行動をしたのか?」
「その行動のあと、周囲はどのように関わったのか?」
まずは、事実を丁寧に整理することから始めます。
同じ場面でも、人によって気づくことや着目するポイントは異なります。
だからこそ、一人で答えを出そうとするのではなく、さまざまな視点を持ち寄りながら、子どもの行動の背景を考えていきました。

分析して終わりではなく、具体的な支援へ
ABC分析で大切なのは、行動を分析すること自体ではありません。
「では、次にどんな支援ができるだろう?」
そこまで考え、実際の関わりにつなげていくことです。
例えば、活動の見通しを伝える方法を工夫したり、子どもが安心して参加できる環境を整えたり、声のかけ方を見直したり。
子どもの行動だけに注目するのではなく、周囲の環境や大人の関わり方にも目を向けます。
今回のグループワークでは、話し合いの最後に、各チームで具体的に取り組むことを一つ決めました。
大切なのは、一度の話し合いで完璧な答えを出すことではなく、まず実践してみて、その結果を振り返り、次の支援につなげること。
子どもへの理解を深めると同時に、チームで支援の方向性を考える機会となりました。

「困った行動」から「なぜだろう?」へ
子どもに毎日向き合っていると、支援者も保護者も、いつも冷静でいられるわけではありません。
私自身も子育ての中で、「なんでこんなことするの!」とイライラすることはたくさんありました。
でも、ペアレントトレーニングを学び、ABC分析の視点を持つようになってから、
「この行動にも、何か理由があるのかもしれない」
と、一度立ち止まって考えられることが増えました。
理由を考えられるようになると、イライラが少し減り、
「じゃあ、次はどうしよう?」と、次の関わりを考えやすくなります。
子どもを変えようとするのではなく、まず私たち大人が、子どもの行動を見る視点や環境、関わり方を変えてみる。
これは、当協会が大切にしている
「子どもは変えなくていい」
という考え方にもつながっています。

9月の2回の職員研修では、夏休みの実践を振り返り、ABC分析を学び、実際の事例をもとに具体的な支援について考えました。
ペアレントトレーニングで学ぶ知識や技術は、知っているだけではなく、日々の子どもたちとの関わりの中で活用してこそ意味があります。
学ぶ → 考える → 実践する → 振り返る
この積み重ねが、子どもへの理解を深め、支援者自身の気づきやチームとしての支援力向上につながっていきます。
また、事業所の垣根を越えて実践やアイディアを共有することも、今回の取り組みの大切な特徴です。
子どもたちだけでなく、保護者も、支援者も。
それぞれの安心につながる支援を目指して。
株式会社BUZZBUZZ、株式会社ウッドフィールの皆さん、9月もありがとうございました。


関連リンク
株式会社BUZZBUZZ
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公式サイト
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【対象事業所】
・アオハル
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株式会社ウッドフィール
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【対象事業所】
・ライチ
・レモン
・ミックスベリー
一般社団法人日本ペアレントトレーニング子育て支援協会
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