頑張っているのに、自分に合格を出せないあなたへ〜子どもにも、大人にも使いたい「25%ルール」〜

ノートを開き、ペンを手にする女性

一つ終わったら、次にやること。
目標を達成したら、今度はその先。

頑張っていないわけではない。
むしろ、毎日いろいろなことをしている。

それなのに、「まだ足りない」「もっとできるはず」と思ってしまうことはありませんか?

実はこれ、私自身のことです(笑)


ペアレントトレーニングの講座では、子どもの「できていること」に目を向ける大切さをお伝えしています。

でも、自分自身に対してはどうだろう。

最近、ある方との対話を通して、私自身が見落としていたことに気づきました。

目次

ペアレントトレーニングの「25%ルール」とは?

ペアレントトレーニングには、褒めるタイミングの目安として「25%ルール」という考え方があります。

100%できるまで待たずに、好ましい行動を始めたときや、少しでもできたところを見つけて認めることです。

「全部できたら褒めよう」と待っていると、その途中にある小さな一歩を見逃してしまいます。


例えば、おもちゃの片づけ。

全部片づけ終わった状態を100%とするなら、一つ箱に入れたときにも、伝えられることがあります。

「ブロック、一つ入れたね」
「片づけ始めたね」


宿題なら、全部終わったときだけでなく、ノートを開いたときや、一問に取り組んだときにも。

「ノートを開いたね」
「一問、取り組めたね」


25%という数字を正確に測る必要はありません。

大切なのは、完成する前にも、認められる行動がたくさんあると気づくことです。

子どもの褒め方は、「できた部分」を具体的に

「そんな途中で褒めていいの?」
「最後までやらなくなりませんか?」

そう感じる方もいるかもしれません。

でも、「一つ片づけたことを認める」と「残りは片づけなくていい」は、別のことです。

今できた部分は、今、認める。
その先の行動が難しければ、何が必要かを考える。


例えば、一つ片づけたあとに止まっていたら、残りが多すぎるのかもしれません。

何をどこへ入れるか、分かりにくいのかもしれません。

できている部分を認めながら、「次はこの車を箱に入れよう」と、一つずつ具体的に伝える方法もあります。


また、褒めるときは、大げさに「すごい!」と言うことだけが方法ではありません。

「自分で持ってきたね」
「ここまでできたね」
「手伝ってくれてありがとう」

何を見ていたのか、何が助かったのかを、その子に合う伝え方で届ける。

「まだ全部できていない」という見方に、「でも、ここはできている」を加えてみる。それが、最初の一歩です。

大人同士でも、「できて当たり前」に

私は、この考え方を大人同士でも使いたいと思っています。

家庭でも、職場でも、できていないことには気づくのに、できていることは当たり前になっていないでしょうか。

予定を確認してくれたこと
必要なものを準備してくれたこと
分からないままにせず、質問してくれたこと…

それぞれは小さく見えても、実際に誰かが動いたことです。


「仕事なんだから当然」
「家族なんだから、それくらい」

そう思えば、何も言わずに終わってしまいます。


でも、

「先に確認してくれて助かりました」
「準備してくれてありがとう」
「相談してくれたので、一緒に考えられました」

と、具体的に伝えることもできます。

大人だって、自分がしたことを見てもらえたら嬉しい。

少なくとも私は、そうでした。

今年やってきたことを、私は見ていなかった

先日、私が今年取り組んできたことを、一つずつ挙げてくれた方がいました。

これもやった。
あれにも取り組んだ。
こういうことも実現した…

そして、それは「すごいことだよ」と言葉にして伝えてくれたのです。

言われて初めて、「確かに、いろいろやってきたな」と思いました。


私の中では、終わったことはすぐに「当たり前」になっていました。

できる前には悩んだことも、勇気が必要だったことも、終わってしまえば次の課題へ。

そこに至るまでの自分を認めないまま、「次はこれ」「もっとこうしないと」と進もうとしていたのです。

向上心があるのは、自分自身の良いところでもあると思います。


ただ、できたことを認める時間がないまま進み続ければ、どこまで行っても「まだ足りない」が残ってしまう。

それでは疲れてしまうよ、と言われて、確かにそうだなと思いました。


自分を認めることと、次の目標に進むことは、両立する。

今できていることに目を向けたからといって、成長をやめることにはならない。

私には、両方が必要だったのだと改めて感じました。

自分を褒めることが苦手なら、事実を一つ拾ってみる

「自分を褒めましょう」と言われても、難しいと感じることがありますよね。

私も、自分のことになると、ついつい厳しく見てしまいます。

そんなときは、無理に「私はすごい!」と思おうとせず、実際にしたことを一つ拾うところからでいいと思います。

「気になっていたメールに返信した」
「分からないことを質問した」
「資料を1ページ作った」
「今日は余裕がないと伝えられた」

まだ途中でも、実際に動いた部分はあります。

「まだ残っていること」と「ここまでできたこと」は、どちらも事実。

残っている方ばかりを見ていたら、一度、できた方も見てみる。

自分自身にも、25%ルールの視点を向けていきたいですね。

ペアレントトレーニングは魔法ではなく、日々の練習

ペアレントトレーニングは、魔法でも、特効薬でもありません。

学んだからといって、いつでも完璧に関われるようになるわけではありません。

子どもの小さな一歩を見つけられる日もあれば、余裕がなくて、できていないことばかり気になる日もあります。

家庭では意識できても、仕事では忘れてしまうこともある。

子どもには使えても、自分自身には使えていないこともある。

私自身、学び、伝える立場になっても、こうして気づかされます。

だからこそ、日々の練習が必要なのです。


一度知って終わりではなく、やってみて、振り返って、また試す。

できなかった日は、「ああ、今はできていなかったな」と気づいて戻ってくる。

子どもへの声かけがきつくなったなら、言い直してみる。
相手のできていることを見落としていたなら、一つ伝えてみる。
自分を責め続けていたなら、今日したことを振り返ってみる。

その小さなやり直しも、認めていいのだと思います。

今日、誰かの「できた」を一つ伝えてみませんか?

今日は、子どもや家族、一緒に働く人の行動を一つ、具体的に言葉にしてみませんか。

「ちゃんとやって」や「もっと頑張って」の前に、すでにできている部分を探してみる。

そして、自分にも同じことをしてみてください。

「今日、私ができたことは何だろう?」

全部終わっていなくても大丈夫。
自分では当たり前だと思っていることも、いったん数に入れてみる。

当協会では、ペアレントトレーニングを通して、子どもの行動を理解することとともに、大人自身の見方や関わり方の選択肢を増やすことを大切にしています。

子どもにも、大人にも、そして自分にも。

できていることを認めながら、次の一歩を考える。

私自身も、何度でもここに戻ってきたいと思います。

一般社団法人 日本ペアレントトレーニング子育て支援協会
代表理事 平ひかり


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