2026年9月18日、社会福祉法人三郷町社会福祉協議会様(奈良県)にて、児童発達支援に携わる職員の皆様を対象としたペアレントトレーニング研修を実施しました。
今年4月にご担当者様からお問い合わせをいただき、その後、Zoomや電話で打ち合わせを重ねてきました。
そしてついに、初回の研修を迎えることができました。
「どんな職員さんたちなんだろう?」
「どんな雰囲気の職場なんだろう?」
初めてお会いする皆様を前に、私自身もドキドキ、ワクワクしながらのスタートでした。
研修が始まってみると…
よく話す。よく笑う。そして、とにかく反応が温かい!
互いの意見を聞き、笑い合い、認め合う。
初回から、とても温かな3時間となりました。
奈良県三郷町で児童発達支援の職員向けペアレントトレーニング研修
ペアレントトレーニングというと、「保護者が子どもへの関わり方を学ぶもの」というイメージを持たれることがあります。
しかし、当協会では、保護者だけでなく、保育・教育・福祉・医療などの現場で子どもに関わる支援者がペアレントトレーニングの視点を学ぶことも大切だと考えています。
子どもの行動だけを見て、
「どうしてできないんだろう」
「どうしたらやめさせられるだろう」
と考えるのではなく、
「この行動には、どんな理由があるんだろう?」
と一度立ち止まって考えてみる。
そのためには、まず子どもの行動をよく「観察する」ことが必要です。

今回の研修でも、ペアレントトレーニングの概要だけでなく、
「療育ってなんだろう?」
「子どもに“できるようになってほしい”と思っていることは?」
といった問いについて、職員同士で考え、言葉にする時間をつくりました。
「今まで支援観や療育観について、みんなで話したことがなかった」
「話してみたら、みんな同じようなことを考えていて安心した」
「相手がこんなことを思っていたんだ、と知ることができた」
という声も。
日々一緒に働いていても、「どんな支援をしたいのか」「子どもをどう見ているのか」まで改めて言葉にする機会は、意外と少ないのかもしれません。
だからこそ、研修は知識を得るだけではなく、職員同士が支援について話すきっかけにもなればと思っています。

ペアレントトレーニングの「やり方」の前に、大切にしたい「あり方」
今回の初回研修で、私が特に大切にしたのは、テクニックや「やり方」をたくさん覚えることではありませんでした。
テーマは、「やり方」の前に大切な「在り方」。
「子どもは変えなくていい」
「行動には理由がある」
「まずは観察してみる」
「受け入れなくてもいい。まずは受け止めてみる」
「正解ではなく、その子にとっての最適解を探す」
そして、価値観は一人ひとり違うからこそ、たくさん話すこと。
一人で抱え込まなくていいこと。
支援する側の大人も、自分自身を大切にしていいこと。
感情を整理する方法、頭の中にあることを書き出すワークなども交えながら、自分自身にも目を向けてもらいました。
子どもに関わる仕事をしていると、どうしても「子どものために」「保護者のために」と、自分自身のことが後回しになりがちです。
でも、支援する大人自身に余裕がなくなってしまったら、子どもの行動を落ち着いて観察することも難しくなります。
だから、子どもへの支援を考えることと同じくらい、支援する人自身を大切にすることも伝えています。

「こんな参加型の研修は初めて」対話と笑いがあふれた3時間
今回の研修では、グループワークを何度も行いました。
中でも特に盛り上がったのが、「チーム対抗戦」!
一つの行動にも、考えられる理由はたくさんあります。
「もしかして○○?」
「いや、こんな可能性もあるんじゃない?」
「それもある!」
と、どんどんアイデアが出てきます。想像以上の白熱ぶりでした。
最終的には、同行した当協会の会員2名に審査員をお願いし、
「たくさん数が出せたで賞」
「ナイス視点で賞」
として、両チームを表彰。
勝敗はつけられず、引き分けとなりました(笑)。
でも、このワークで本当に伝えたかったのは、たくさん正解を出すことではありません。
目の前に見えている一つの行動だけで、その子の気持ちや行動の理由を決めつけないこと。
「なぜだろう?」
と、いろいろな可能性を考えてみることです。

研修終了後には、参加された職員さんからこんな言葉もいただきました。
「研修と聞くと、今までは『嫌だな』と思っていました。座学ばかりで眠くなるし、資料をもらえるから適当に過ごしておけばいいかなって。でも、こんな参加型のおもしろい研修は初めてでした」
実はこの方、研修の最初は比較的静かに参加されていました。
ところが途中から、ワークでどんどん発言が増え、笑顔も増え、最後には場を盛り上げる中心メンバーの一人に。
その変化を間近で見られたことも、講師としてとても嬉しい出来事でした。
最後は全員で、「今日、心に残ったこと」を一人ずつアウトプット。
同じ3時間を一緒に過ごしたのに、心に残った言葉は一人ひとり違いました。
それもまた、とても興味深い時間でした。

子どもの行動には理由がある。ペアレントトレーニングを全国の支援現場へ
一般社団法人日本ペアレントトレーニング子育て支援協会では、保護者や子どもに関わる支援者を対象としたペアレントトレーニングの普及・人材育成に取り組んでいます。
全国各地の福祉・教育・子育て支援の現場で、研修や講演の機会をいただくようになりました。
同じ研修内容でも、参加する人が変われば、出てくる意見も、場の雰囲気も、研修そのものも大きく変わります。
今回の三郷町での研修でも、それを改めて感じました。
私たちが大切にしているのは、
「子どもは変えなくていい」という考え方です。
これは、「何もしなくていい」という意味ではありません。
子どもそのものを大人の望む姿に変えようとするのではなく、
「この子はなぜ、この行動をしているんだろう?」と観察し、大人の関わり方や環境を工夫してみる。
そして、一つの正解を押しつけるのではなく、子ども・保護者・支援者、それぞれの視点を持ち寄りながら、その子にとっての最適解を一緒に探していく。
そんな関わりを、これからも全国の子育て・教育・福祉・医療などの現場へ届けていきたいと思っています。
社会福祉法人三郷町社会福祉協議会の皆様、初回からたくさん笑い、考え、言葉にしてくださり、本当にありがとうございました。
これからの研修も楽しみにしています。

【研修・講演について】
一般社団法人日本ペアレントトレーニング子育て支援協会では、児童発達支援・放課後等デイサービスなどの福祉事業所、保育・教育機関、自治体、子育て支援機関等を対象に、ペアレントトレーニングをベースとした職員研修・講演を行っています。
研修内容や時間、対象者に合わせて内容を組み立てています。
職員研修・講演をご検討の方は、当協会ホームページのお問い合わせフォームよりご相談ください。

